翻刻
予か住なれし高知新町といふは其むかしは潮田なりしを寛永
十三年築かれて市街となれり古名は上知寄といひ今の
下知は下知寄といひしを寄の一字を除かれて村の名とは
なしたりしとかやされは開基よりは纔に二百十余年の新巷
にて土地も堅固ならされはにや去冬の震も他所に異り其大
破いふ斗なしされとも不測に火害を免たれは幸甚の余り
末世の考拠にもならん歟と恐なから 御届書を発端として
震に火に潮に現在の事実を集録して三災録と号し
長く巾笥に秘置ぬ
安政二年乙卯季冬月 白頭老人 実 識
【右上に谷氏文庫の朱印】
【右下に島田蔵書の朱印】