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コレクション: STAGE7

風俗畫報臨時増刊第百十八號 大海嘯被害録(上) - 翻刻

風俗畫報臨時増刊第百十八號 大海嘯被害録(上) - ページ 6

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【上段】 状すべかち【ら?】ず村役場(むらやくば)は村長一名を残(のこ)すのみ尋常小学校駐在所皆 流失(りうしつ)して片影を止(と)めず巡査は家族(かぞく)と共に死亡せり 越喜来村は駐在所(ちうざいしょ)流失し巡査(じゅんさ)家族共に死亡(しぼう)し尋常小学も流失(りうしつ)し たるも訓導|佐藤陳(さとうちん)は妻子の死(し)を顧(かえり)みず辛ふじて 御真影(ごしんえい)を安全 の地に奉置せり 唐丹村は郡内(ぐんない)第一の被害にして駐在巡査(ちうさいじゅんさ)は家族と共に死亡(しぼう)し二 千八百余の人口(じんこう)中|死亡(しぼう)二千五百なるは悲惨(ひさん)の至りなり而して概 数は左(さ)の如(ごと)し  各村(かくそん)合計死亡六千八百十六|人(にん)負傷者三百十八人 南閉伊郡被害地|面積(めんせき)は気仙郡に及(およ)はすと雖も其(その)惨害(さんがい)は本部に於 て激甚を極(きは)めたり乃ち気仙郡は一|町(てう)十一ヶ|村(そん)にして六千八百余 の死亡者(しぼうしゃ)あり以て其(その)惨状(さんじやう)の如何に甚(だはなは)【はなはだ?】しきかを知る 釜石町は千二百|余戸(よこ)の市街(しがい)にして人口六千余あり然(しか)るに海嘯 の為(た)め家屋(かをく)僅かに百余|戸(こ)を残し高処より之を望(のぞ)めば市街(しがい)全く頽(たい) 潰(くわい)し片々たる家屋(かをく)の破材積で堆をなし流屍(りうし)は累々(るい〳〵)たる其間に露 はる沿海(えんがい)の耕地は総(すべ)て泥濘を以(もつ)て填充し警察署(けいさつしょ)郵便(ゆうびん)電信局(でんしんきょく)及尋 常小学校六ヶ所|流亡(りうぼう)し巡査一|名(めい)死亡し署長以下皆重傷を負ふ郵 便電信局員某僅かに身(み)を以て遁(のが)れ数時にして予備|器械(きかい)を据付け 為めに通信の便(べん)を得たり 大槌町鵜住居村の如(ごと)きも惨状|最(もつと)も甚し其被害概数は左の如し  人口(じんこう)一六、二五九|死亡(しぼう)六、六六九|負傷(ふせう)一、四一四戸数二、九  二六|流失(りうしつ)家屋(かをく)一、七九九半潰家屋未詳 東閉伊郡本郡中|被害(ひがい)の最も多き処(ところ)は田老村にして激浪(げきろう)の高きこ と十余丈に達し潮流(てうりう)の勢最も強大(きやうだい)にして沿岸にありたる二|抱(かゝえ)以 上ある松樹(せうじゆ)凡そ百本余|僅(はづ)かに樹根を存(そん)するのみ又風帆船の海岸 浪打際を上る二|町(てう)余の山腹に打揚(うちあ)げられたるあり以(もつ)て其惨状の 【下段】 一般を知る如此くなれば村役場(むらやくば)尋常小学校員等皆死亡し巡査(じゅんさ)駐(ちう) 在所(ざいじょ)流失し駐在巡査一二名家族と共(とも)に死亡(しぼう)せり 重茂村重茂巡査駐在所々在地の如(ごと)きは恰(あたか)も平原と化し只|村長(そんてう)の 屋根(やね)の端に押付(おしつけ)けられあるのみ船舶(せんぱく)一隻も不残(のこらず)流亡或は破壊し 巡査駐在所巡査一|名(めい)家族と共に死亡(しぼう)せり船越村も亦被害少なか らず村役場尋常小学校巡査駐在所|皆(みな)流失(りうしつ)し駐在巡査重傷を負(お)ひ 妻子(つまこ)残(のこ)らず死亡せり 山田町警察分署は大破(たいは)に及び海嘯(かいせう)の為め千|余人(よにん)を失ひ災後失火 の為又々四十|余人(よにん)一片の烟と化したるあり実(じつ)に酸鼻に耐(た)へざる なり而して其(その)概数(がいすう)は左の如し  人口二八、三二八|死亡(しぼう)六、七〇四|負傷(ふしやう)一、三七〇戸数五、三  〇八|流失(りうしつ)家屋(かをく)一、八〇二破壊家屋三三五 北閉伊郡普代郡は村役場(むらやくば)書記一名死亡し又巡査駐在所|流失(りうしつ)し巡 査家族死亡す小本村もj巡査(じゆんさ)駐在所(ちうざいじょ)流失(りうしつ)し巡査は僅に身を免れ家 族は皆|死亡(しぼう)せり同所概数|左(さ)の如し  合計 死亡者(しぼうしゃ)千六百八十人負傷者四百二十五人|流失(りうしつ)家屋(かをく)二百     九十八戸同|破壊(はくわい)二百三十八 南九戸郡|野田村(のだむら)巡査駐在所|流失(りうしつ)し妻子死亡せしも巡査は身を免 るゝを得(え)たり 久慈郡は被害(ひがい)も多く村役場尋常|小学校(せうかくかう)駐在所皆破壊し巡査(じゆんさ)の妻 子|死亡(しぼう)す其概数は  合計 死亡(しぼう)千七十四|人(にん) 負傷六百九十四人 北九戸郡|種市村(たねいちむら)中野村の如(ごと)きも亦|被害(ひがい)少からす然れども気仙郡 等に比(ひ)すれば被害の少きは地勢(ちせい)の然(しか)らしむ処ならんと雖亦潮 勢の激甚(げきじん)ならざるに依(よ)るなるべし而して被害の概数左の如し  合計 死亡者(しぼうしゃ)三六六人 負傷者(ふしやうしゃ)一七五人 右|報告(ほうこく)に及候也