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翻刻
【右丁】
二条(にでうの)【條】院讃岐( いんさぬき)
我袖(わかそで)は
しほひに
見(み)へぬ沖(おき)の
石(いし)の人(ひと)こそ
しらね
かはく
まも
なし
【左丁】
九十二番
此心はしほひの時だにあらはれぬ海中の石
のごとくうき人ゆへ【ゑ誤カ】わが袖の夜るひるか
はく時なくなげきつゞくるをわが思ふ
人はしらぬと也しほひに見えぬとよく
たとへいだしたるところきめう【奇妙】なり
しかもうたのさまものつよくして
あはれふかし人こそしらねとは
わかおもふ人はしらねども
といふこゝろなり
【画面右下】
㊞佐野喜
【画面左下】
一陽斎
豊国【國】画