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【右頁】
㊂小児(ちご)髪(かみ)を剃(そり)髪(かみ)をはやす次第(しだい)《割書:付たり|》髪置(かみをき)の事
◯本邦(ほんほう)の俗禮(そくれい)にして小児男女共に四五歳まては髪を
そる事なり毎月(まいつき)四五 度(ど)あてそりたるがよきなり小児(ちご)は
𤍽(ねつ)つよきものゆへ半月(はんげつ)と髪をそらねは頭(かしら)に瘡(かさ)を生(せう)ずる類
多し又小児三四歳といふ霜月に髪置(かみをき)といふ祝義(しうぎ)あり又は
髪(かみ)そぎといふ小笠原家(をがさはらけ)諸礼(しよれい)の書(ふみ)に男女(なんによ)共(とも)に三四歳になる
霜月十五日か亦は其月に入て吉日をえらび髪をきの
祝義あるべしと見えたり講説(かうぜつ)には小児 胎髪(たいはつ)をそりてその
後三四歳といふ夏(なつ)の比までは毎月四五 度(ど)宛(あて)髪をそりて
三四歳の初秋(はつあき)より髪をはやすべし霜月に入て吉日を
えらびて髪置の祝義あるなり男子(なんし)の髪置は左(ひだり)の鬢(びん)よ
【左頁】
り初(はじ)め女子(によし)の髪置(かみをき)は右(みぎ)の鬢(ひん)より初(はじ)むるなり男子(なんし)ならば
一族(いちぞく)の中(うち)にておとなしき人の役(やく)なり女子(によし)ならば一 族(ぞく)の中に
て是も又おとなしき女中(ぢよちう)の子を多(おほ)くもちて盤昌(はんじやう)したる
人の役(やく)なりと傳(つた)ふるなり作法(さはう)故実(こじつ)ありこゝに畧(りやく)す
㊃小児 飲食(いんしよく)の説(せつ)《割書:付たり|》喰初(くいぞめ)の説
◯錢仲陽(せんちうやう)の説(せつ)に小児生れて半年(はんねん)の後 陳米(ふるごめ)の粥面(じゆくめん)を
時(とき)〻(〴〵)児子に飲(のま)しむべし《割書:按(あん)ずるに粥面とは|かゆのうはずみの事也》十月を過て後 漸(ぜん)〻(〳〵)
に稠粥(てうじゆく)《割書:按ずるに稠粥とは|かたがゆの事也》を煑(に)たゞらかして食(しよく)せしむべし
かくのごとくすれば脾胃(ひゐ)の氣(き)をたすけて自然(しぜん)と養(やしな)ひ
やすく病(やまひ)もなし必 生冷(さんれい)の物《割書:按ずるに火にて煑(に)|ざる食(しよく)をいふ也》油膩(ゆに)《割書:按ずる|にあぶら》
《割書:あげの類又はあぶら|こき料理をいふ也》甜物(あまきもの)魚(うを)鳥(とり)を食(しよく)せしむる事なかれひとり