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【右丁】
験(しるし)を取たるにや注夏病(なつやせのやまひ)も疳気(かんけ)の其ひとつの病なれ
はなり
○五疳(ごかん)の症(しやう)に用る丸薬(ぐわんやく)さま〴〵あり左(ひだり)にしるす
四味肥児丸(しみひにぐわん) 黄連(わうれん) 蕪夷仁(ぶいにん) 神曲(しんきく) 麦芽(ばくげ) 《割書:各等|分》
右細末して水糊(みづのり)にて丸(ぐわん)じて用ゆべし毎服(まいふく)一二十丸
その小児の大小によりて用ゆへし陳皮(ちんひ)川楝子(せんれんし)を加(くは)へて
六味肥児丸(ろくみひにぐわん)と名(な)づけて共(とも)に疳虫(かんちう)の症(しやう)を治(ぢ)するの妙(いう)【「めう」ヵ】
薬(やく)也
○加味肥児丸(かみひにぐわん) 胡黄連(こわうれん) 木香(もくかう) 檳榔(ひんらう) 黄連(わうれん)
山稜(さんりやう) 莪朮(がじゆつ) 青皮(せうひ) 陳皮(ちんひ) 神曲(しんきく) 香附子(かうぶし)
麦芽(ばくげ) 蘆薈(ろくはい) 史君子(し[く]んし) 右 細末(さいまつ)して丸ずる法(はう)常(つね)の
【左丁】
ごとく丸数小児の大小をはかりてあたふべきなり諸(もろ〳〵)の
疳疾(かんしつ)身(み)黄(きはみ)痩(やせ)肚(わきはら)腹(はら)脹(ほて)大(おほい)にして痞(ひ)【左ルビ:つかへ】満(まん)泄瀉(せつしや)する類(たくひ)に
用て験(しるし)多し
○本邦(ほんほう)の医家(いけ)に伝(つた)ふる所の保童円(ほうどうゑん)といふ妙方(めうはう)あり此
方 中花(もろこし)より来る所の諸(もろ〳〵)の医書(いしよ)を考(かんがふ)るにのする事なし
たま〳〵保童円の名義(みやうぎ)あれ共此方とは各別(かくべつ)なりこれ
本邦にて往古(いにしへ)の名医(めいい)のくみたる方ならんや筑紫(つくし)
の方(かた)の人の説(せつ)には南蛮人(なんばんじん)より伝(つた)ふるといふなり多くは
其薬方の中に乾海参(かんかいしん)《割書:和俗(はぞく)いふ所の|いりこの事也》狼毒(らうどく)《割書:和俗いふ所の|まはりの事也》などの
入たる方にして小児の疳気(かんけ)に用て奇妙(きめう)に験ある方な
り其家〳〵に秘(ひ)する所の妙方(めうはう)なればたやすくこゝにしる