翻刻
【右丁 上段】
なを春永(はるなか)には
るふかく折角(せつかく)余(よ)
寒(かん)御 厭(いとひ)如月(きさらき)の
空(そら)にうつり日増(ひまし)
に暖(あ▢ゝか)天気(てんき)よく
麗(うららか)に日和(ひより)よく
三月 長閑(のどか)桃(もゝ)の
御 節句(せつく)御 娘子(むすめご)さま
初(はじめて)の節句 別(わけ)て
御にきやかに御祝
【左丁 上段】
内裏雛(だいりひな)一対(いつつい)前(せん)
司(し)人形(にんきやう)蓬餅(よもきもち)蛤(はまくり)
進上(しんじやう)いたし御祝 下(くた)
され幾(ゆく)久しく祝(し▢)
納(なふ)いたし花見(はなみ)汐(しほ)
干(ひ)開帳(かいちやう)参り御
遊山(ゆうさん)御 遊(あそ)び御 慰(なぐさみ)
御 楽(たのしみ)御 誘引(さそひ)御 同(どう)
道(だう)御 供(とも)申 芝居(しばゐ)
狂言(きやうけん)御 見物(けんぶつ)御 出(いで)
【右丁 下段】
喜撰法師(きせんほうし)
わが庵(いほ)は
みやこの
たつみ
しか
ぞ
すむ
世(よ)を
うぢ山と
人(ひと)は
いふなり
【左丁 下段】
小野小町(をのこまち)
花(はな)の色(いろ)は
うつりに
けりな
いた
づら
に
我身(わがみ)
よに
ふる
ながめ
せし
まに