翻刻
比羅雪墨
去年雪にとちたるまゝの谷の戸をおし明いつる/鍵の早蕨(カキノサワラヒ)
御免齊綾丸
桜木の根につまつきし庭下駄やはなをゆるめん雨のあしよは
玉結菴蔵満
春雨にみとりもますやかゝらまし川岸の柳の糸の釣はり
連葉菴春木
とふつきの石場縄手も初霞ひつはつてたつ春のあけほの
○陸奥 須加川 平方菴早樹
是もまた弓はつとらせてとゝめたしあはれ春日のなかれ武者には
川邊凉見
おしなへて今朝は雑煮の腹つゝみうちおさまりし君か代の春
鷺白羽
流儀ほと蛙は水をかきわけてふてのさやまか池になくなり
幾世菴久門
七種をはやすまな板かなひはしこれも古今の春の序ひらき