翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

難船人帰朝記 - 翻刻

難船人帰朝記 - ページ 14

ページ: 14

翻刻

  を傳ひて文箱往来する様からくりに仕かけ有是も早き事飛か如し是以送継有てさり 一 織物の機木綿の糸を行車枕木にて板を引払皆くわくりにて栫るなり 一 唐家ハ石硝子の障子にて囲ひ其中に諸品出し有至て見るものもなり 一 傘の形日本の如し尤大小あり木綿にて張り蝋引也骨ハ鯨のエラにて作る合ゐり羅紗也 一 外療日本に同じ灸治する事なし病によりて腕より血を取る事を見たり 一 種痘彼土等ら彼行手術ハ日本へ傳来の如し天然痘ハ感せさるよし 一 南アメリカ」の南の鼻なる瀬戸の上動かさる雲三ツ有白き雲一ツ墨雲二ツ   いつにても有と云 一 彼土に北極星ハなれ共南極にハ星なしと云趣なり 一 ウツク」国の辺りハ年中丑寅の風斗り吹と云 一 裸島「キンシメゲルツプト」云島ハ鉱本よし石を以て刃物とし船を作る 一 丸木の内を彫て長三四間斗りも有る船を外より遠見す時に獣の皮にて   造りたる様に見ゆる也 一 メベツリータ」より長寄之辺船路日道にて一万四五千里斗と云日本一里を五十六其定る也 一 北アメリカ」と「メキシコ」国との中に「テキシタ」と云国有夫を双方より奪い合て戦争   と成両方より鉄炮を放ち合を日本一百斗り沖ゟ船中にて遥に見たり   誠にめつらしき物也と云此戦終に「アメリカ勝ちたりと云 一 何間或ハ幾丈と云事なし始終何尺と尺の数を以て唱ふとなり間地竿ヲ其丈ヶ十六尺半也