翻刻
一 爰にて蒸気舩を雇ひ[ ]十里の間河を登り「セクマント」江つき右之貨銀にじゅう廿五枚渡ス夫ヨリ馬を雇ひ
荷物を車にひかセ又百五十里程行《割書:日本道|廿一里程》此所□川三筋あり《割書:北南中|■あり》此如例にて雇われ一日貨銀
六枚喰捨にて三十四五日程働貨銀弐百枚余に成資格■右之旦那博奕に打負家財迄悉く取られ
一枚も得不貨ニ付自分に堀道具を買求め金を堀七十日計堀集め銀六百枚程働溜夫を以本の通り
車馬を借「セクリマント」へ戻ル又蒸気舩に乗て「キヤンワニセ」へ戻り宿を借て十日程逗留する内「ウツフ」
国江行商舩《割書:舩名ヱキイ|シヤリフチ》に便を乞出帆?し西南の方へ走り戌ノ十月ウツウ国江着舩ス
一 爰にて寅右衛門に逢て伝蔵五右衛門を尋ねるに両人ハ是ゟ三里計り在所ニ百姓を致し居ると
いへハ人を雇ふて呼に遣し翌日両人共来り万治郎ゟ日本へ帰■ふと思ひ来■り一所ニ帰
らんやといへハ出来る事なれハ帰らんと答ふ随分出来ルと云て約束をかため四人一所ニ十日程
居ると伝蔵只居て喰ふを気の毒かり便舩の有まて在郷へ行て稼ふと云て在郷へ行
時ニ「アメリカ」の鯨舩紀州の漂流人を二■へ二人と三人と乗セ来ル彼舩頭より万治郎聞て日本
人といえはなつかしくと云て逢に行物語すれ共言語通シ難き故