翻刻
【右丁】
一種
かまやましやうぶ
琉球(りうきう)釜山(たやま)より来(きた)るといふ葉(は)ねしあやめ
より長(なか)く三尺許(はかり)花(はな)深紫色(こきむらさきいろ)にて美(う流は)し
【左丁】
悪實(あじつ) むまふぶき《割書:本草|和名》
葉(は)は唐大黄(からたいろう)に似(に)て長大根(てうだいね)は薊根(あさみのね)の如(は)くにして肥大(ひたい)なり花(はな)紅色(あかいろ)薊(あさみ)の花(はな)に似(に)たり實(み)は楓毬(ふろきろ)に似(に)て中子(なかのみ)胡(ご)
麻(ま)に似(に)て両頭(れうとう)尖(とか)れり薬(くすり)用にし根(ね)は食料(しよくれう)諸国(しよこく)に名産(めいさん)多(おほ)し東國(とうこく)にては上野(かみつけ)の行田(きやうだ)下総(しもふさ)の大浦(おほうら)武(ぶ)
州(しう)岩築(いはつき)結城(ゆうき)忍又(おしまた)浦賀(うらか)牛房(こほう)は甚(はなはた)長(なか)く味(あしはひ)美(び)なり又/武州(ふしう)比門谷(ひもや)俵(たはら)牛房(こほう)は肥大(ひたい)にて長(なか)く柔(やはらかく)くして熟(しゆく)し
易(やす)しと云(いふ)
一種 をろしやしほう
此種(このたね)近年(きんねん)魯西亞(をろしや)より来(きた)るといふ葉(は)は牛房(こほう)に似(に)て花(きれこみ)又甚多し薊葉(あさみのは)に似(に)て刺(とけ)なく根(ね)も牛房(ぼほう)と異(こと)なる
ことなり淡黒色(うすくろいろ)味/淡甘香気(あはひあまくにほい)あり花實(はなみ)は牛房(こぼう)に同(おな)じ