翻刻
【右丁】
葈耳(いし)
をなもみ
【左丁】
荒野(あれの)に多(おほ)く實(み)より生(せう)す葉(は)は牛房(こほう)に似(に)て圓(まる)く又/白桐(はくとう)《割書:き|り》の葉(は)に似(に)て
小(ちいさ)く厚(あつ)し茎(くき)高(たか)さ四五尺/枝(えだ)を分(わか)ち夏月(なつ)小白花(せうはくくは)を開(ひら)き實(み)を結(むす)ふ
其形(そのかたち)右斬(せんし)《割書:はら|むし》のごとく毛刺(とけ)あり人衣獣毛(じんいじゅうもう)に粘(ねん)す一・説(せつ)に葈耳(いじ)の
釋名(しやくめう)に巻耳(かんし)を引(ひき)て一物(いちぶつ)とすれとも詩経(しかう)の註(ちう)に形如鼠耳(かたちすじのことく)叢生(さうせい)
如盤(はんのことし)と云ふよれはみゝなくさなり山野(さんや)に多(おほ)し冬(ふゆ)より生(せう)し春(はる)に至(いたり)て
盛(さかん)なり葉(は)は鼠(ねつみ)の耳(みゝ)に似(に)たりこれ雞腸草(けいてうさう)なり