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【四つの図で構成】
【右上段の画像】
【タイトル】
《割書:大地震|大津浪》一口ばなし
【本文は上下二段構成】
【上段】
《割書:つなみと聞て|どこも》 《割書:みづに|にげた》
《割書:材木□こけて|はつ【き?】てにげた》 そふか
《割書:今夜(こんや)も西か嶋に|よつて寝(ね)られん》 《割書:おき|ばん》【起番、寝ずの番】
《割書:船に乗て死だ|けいこおやまも》 《割書:ながれの|身じや》
《割書:みりん蔵がこけた|とき【時】あたまを打た》 でんぼ
《割書:清水のぶたいにゐたら|地しんでくだけた》 《割書:とんだ事|ナア》
《割書:鉄げん寺の釣かねが|落ちて何にも》 ならん
《割書:西辺(にしへん)のはしは|無事なか》 《割書:□□□|□かた》
《割書:荷物(にもつ)が|しれんので》 《割書:せ□□|□□た》
《割書:紙屋の家が崩(くす)|れて亭主は》 はんし【半死、半紙】
《割書:乾物(かんぶつ)屋はにげる|のになんぎした》 数(かず)の子(こ)
【下段】
《割書:東海道の馬かたも|地しんにあふて》 《割書:まご|〳〵》
《割書:地しんで|にげる娘(むすめ)は》 《割書:ゑら|ゆすり》
《割書:新造(しんざう)さんは|軒迄しられて》 われた
《割書:野宿のあいだ|此ふすまをちよつと》 かりや
《割書:あつたのやしろは|地しんがゆらなんだ》 《割書:ソレ|みや》
《割書:鳥居も絵馬|堂もこけた》 《割書:ざまの|わるい》
《割書:大地しんの時こんな|家にゐるのは》 《割書:ゑらい|こけじや》
《割書:にげしなにかまぼこ|屋の門(かど)でこけて》 《割書:アヽ|いた》
《割書:象頭山(ぞうづさん)は|あれなんだ》 《割書:鼻高(はなだか)|じや》
《割書:寺〳〵の門へ|つゝぱつ□》 丸太(まるた)
《割書:地しんで|米が安ふなる》 世直(よなを)し
【右下段の画像】
【タイトル】
大阪大地震津波記 難波本清板
【本文】
嘉永七甲寅年十一月四日夜五ツ半刻大地震同五日七ツ半刻より夜
五ツ半時迄大地しん津波にて安治川木津川辺につなぎおき
たる所の親船大津波にて一同に道頓堀の川へおし入日吉ばし
汐見ばし幸橋住吉ばしを押やぶり大黒橋にてとまる川中は
大船にて十文字たて横におし破りかさなり合候ゆへ浜川蔵
屋しき町家大蔵納屋こと〴〵く船さきにて押やぶり小舟
茶舟等は大船におし潰ぶされ道とん堀大こく橋迄も船入こみ
候事は実に前代未もんの大さうどうに有て候
一大坂地震にてくづれ候場所は左の通せんば辺は座摩の社内鳥居
ならびに門たをれ北久太郎町丼池大くづれ塩町佐の屋□し【ばし?】角
堀死人けが人其数しれず南本願寺御堂は北西へそんじ御霊
の社井戸くづれじゆんけい町辺丼池大くづれにて出火致し程なく
しつまり長堀へん板屋はし北詰大くづれ阿波座さつま堀へん
願教寺たいめん所潰ぶれ永代橋京町堀へん三四軒やける天満
の社内から門近辺池田町のひがし天満へんはくつれば所数しれ
す中のしま辺常あん橋角大にくづれ西横ほりへん新町遊女
屋の所大くづれ堀江へん四ツはし御池通り土佐様御やしきの堀
くつれあみだが池の辺大にくづるゝ安治川九条へん南は永町辺
幸町の辺栄ばしへん西ずめ大くつれなんば新地しん川辺また
あんにう寺の鐘つきとうつふれ住よしの石とうろう残らすたをれる
その外末社くづるゝ上町へんのばく上本町へん玉つくり辺御祓い所
くづれ二けん茶屋へん上町清水ぶたいつふれ天王寺近へん此
外市中くづれ場所数しれす
摂州尼ヶ崎の御城はそん御城下五十軒程つぶれ西ノ宮兵庫なだ
三ヶ所大坂同様南海紀州熊野浦よりしま遠江なた伊豆大浦迄
凡百五里余の海がんの人家津波にて大半流失致候猶追々
諸国の場處出板仕候
【左上段の画像】
【相撲番付スタイルの記事】
【タイトル】
《割書:嘉永七|寅歳中》珍事(ちんじ)末代噺種
【本文三段構成】
【上段】
大関 十一月 大坂地震津波
関脇 同 志州鳥羽津波
小結 九月 《割書:大坂|長町》三ッ子産
前頭 閏七月 信貴山寅守
前頭 十一月 阿州徳嶋出火
前頭 八月 《割書:八代目|団十郎》乗込戻【戻:小書き】病死
前頭 六月 奈良大地震
前頭 六月 郡山大地震
【中段】
前 十一月 紀州田辺大津波
同 六月 《割書:讃|州》金毘羅町洪水
同 十一月 岡崎矢矧橋落
同 九月 湊死去
同 十一月 平野大地震
同 七月 北ノ新地踊り
同 十一月 河内松原地しん
同 二月 《割書:八丁目|寺町》地獄戻り
同 六月 なんば砂持
同 十一月 堺津波
同 四月 《割書:大|坂》坂町いてう娘
同 十一月 岡山大荒れ
【下段】
同 十一月 兵庫大地震
同 〃 高野山ぢしん
同 〃 和歌山つなみ
同 〃 備後鞆地震
同 〃 丹波ぢしん
世 〃 冨士川埋る
話 〃 《割書:土|州》カレく浦津波
人 〃 《割書:豊|後》靏崎地しん
頭 〃 紀州日高荒
〃 同湯浅津波
取 〃 《割書:南|都》灯籠倒
【左下段の画像】
【タイトルなし】
【本文】
御用心【御用心:大書】