翻刻
うらめしうもあはれにもおほせといひとゝむ か(へ)【「か」の左に「ヒ」と見える字が傍記】き
かたもなくていとゝ【ますます】ね【音】をのみたけきことにて
ものし給ふかた見にそへ給ふへき見なれころ
ももしほなれ【垢じみて汚れる】たれはとしへぬるしるしみせ
給ふへきものなくてわか御くし【みぐし=頭髪の敬称】のおちたり
けるをとりあつめてかつらにして給へるか九尺
よはかりにていときよらなるをおかしけなる
はこにいれてむかしのくのえかう【薫衣香=衣服にたきしめる香】のいとかうは
しきひとつほ【一壷】くして【具して】たまふ
たゆ【絶ゆ】ましきすちをたのみしたまかつら