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翻刻
【右丁】
入道前(にう どう さき の)
太政大臣( だい ぜう だい じん)
花(はな)さそふ
あらし
の
庭(には)の
ゆき
なら
で
ふりゆくもの
は
我身(わが み)
なりけり
【左丁】
九十六番
此心はちりはてたるはなの雪はいた
づらなるもの也はや時すぎて人のいか
にと見し花も雪とちはてしはあ
はれむ人もなくなれりこれを
身てわが身もたのみあるみよな
れどもとしおひ【い誤カ】ぬればあるかひ
なくなれるなど打なげきて庭
上の落花をゆきといひそへて
ふりゆくものはわが身なりけり
とよまれしなり
【画面右下】
㊞香蝶楼【樓】
豊国【國】画