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コレクション: アジアの映画関連資料アーカイブ

長治郎映画パンフレット - 翻刻

長治郎映画パンフレット - ページ 3

ページ: 3

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【右頁】 --梗槪-- 世は泰平を唄ひ人々は享樂に酔ふ-時は 元祿の春京洛の櫻を散らして突如泰平の 夢を破つた糺の森の奉納試合は若侍達の血を 躍らしたのである柴田十郎左衛門の門下の熱 血兒冬木佑之助は今日の豪敵安藤平九郎をも のゝ見事に打破つて恩師と戀人澄江の前に面 目をほどこした、それに引きかへて親友であ る槇田傳二郎は自分の惨な敗北を思ふ時勝 利を祝す今宵の酒宴も彼には不愉快なも のであつた。 同じ席に來てゐた藝妓の清香は久 しい前から佑之助の雄々しき姿に 戀心を覺へてゐた。 ”いや拙者もう呑めぬ” ”私の眞心只一ぱいで御座いまする今夜は 誰が何と云つたつて歸しやしませんよ” 【左頁】 行手の橋上に戀を語ふ男女を見た近よつて清 香は驚いた。 ”あゝ冬木様!大變で御座います槇田様 が危い” そこへ平九郎に追はれた傳次郎の姿を 見てものも言はずに平九郎目が けて斬つてかゝつた。 強敵を見て平九郎は逃れさつた。傳次郎 は初めてその塲に澄江の姿を見て惨めな今 の有様に消へ入りたい心だつた。 ◇ 誰れにも語ることの出來ない彼の腦みそれは澄 江に對する苦しい戀であつた。 その日はそのまゝ別れたが傳次郎が澄江に對 する苦しい戀-- 冬木との仲を思ふ時--半ば理智を失つた 傳次郎は清香に依つて佑之助を陷入れや うとした。