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コレクション: アジアの映画関連資料アーカイブ

長治郎映画パンフレット - 翻刻

長治郎映画パンフレット - ページ 7

ページ: 7

翻刻

”槇田ぢやないか此頃はどうしたのぢ や元氣がないぞ” そう言はれると何時もに變らぬ親友の心が うれしかつた。 それに引きかへ自分の心は……何も言ふまい 俺さへあきらめればそれでよいのだ……と考 へた時又次の瞬間……俺は彼女を愛してゐる のだ誰に渡すものか親友がなんだ……傳次郎 の心の何處かで叫んだ。 ”冬木!刀にかけて頼みがある” ”刀にかけての願ひ今更何んだ” ”實は澄江殿を” ”えつ澄江殿それは出來ない” ”出來なければ!よい明晩六つの鐘 を合圖に糺の森でお互の勝負を爭さう” ”よし心得た!間違はあるまいな!” 二人は明日を約して立別れた。 【左頁】 ”おゝ冬木か” ”槇田我々の勝負は明日だ今日は味方 だぞ” 白刄は入り亂れた。劔戟!亂鬪! ”ヱイ”平九郎は佑之助の一刀 に倒れた。 ◇ 十郎左衛門と澄江の前に清香は涙乍らに 物語つた。 ”こんな譯で決して妾が冬木様に送つた文 では御座いません。 冬木様の美しい心根を思ふと妾の罪が恐ろ しくなりましたその上お孃さまのことから お二人は暮れ六つの鐘を合圖に糺の森で眞 劔勝負を” 十郎左衛門は急ぎ糺の森へ駈けつけ る。