東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト 5 江戸名所図会

江戸名所図会 20巻 巻之15 - 翻刻

江戸名所図会 20巻 巻之15 - ページ 21

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【右丁】  春(はる)は花(はな)を以(もつ)て祀(まつ)るといへるに相合(あいくわつ)するもの欤(か)  《割書:元文(けんふん)四年の春(はる)冷泉(れいせん)前大納言(さきのたいなこん)為久卿(ためひさきやう)関東(くはんとう)下向(けかう)の折(をり)から鳴島(なるしま)信(のふ)遍に命(めい)して此山のさくらを|為久卿へ贈(をく)られけるに》    《割書:飛鳥山(あすかやま)といふ所の花とて人の見せける若木(わかき)の枝(えた)の殊(こと)にうるはしき色香(いろか)も|世に似(に)すそおほえし江戸(えと)よりはかけふむはかりの近(ちか)さなれと行(ゆき)て見ぬ思ひを》    《割書:霞(かすみ)の関(せき)にとゝむるはかりになむ |》   折枝の色香をみすは飛鳥山花の所の春もしられし  為久  《割書:明年(あくるとし)再(ふたゝ)ひ御下向(おんけかう)の時御出立に今年(ことし)は飛鳥の花も御見せなきよしにて|》   咲ぬともつけぬ飛鳥の山桜こその言葉の色やわすれし 同  《割書:とありしかはいそき金輪寺(きんりんし)へ仰(おほせ)ありて一枝の花を手折(たをり)せこれをもたせて品川(しなかは)の宿(しゆく)にて|御覧(こらん)にいれける》   飛鳥山碑銘並序   惟峯國之鎭曰熊埜之山有神曰熊埜之神實伊弉   冊尊也配祀伊弉諾尊事解王子或稱之三神事解   別爲飛鳥之祠三狐神副焉語在神史中別録藏焉   誌曰在替元亨中武之豐島郡豐島氏剏兆豐島郡   爲熊埜神坐地之曰王子山之曰飛鳥蓋自此始也   熊埜之川曰音無川流象焉爾來四百有祀土人以   昔祀之如一日矣祀典曰熊埜之神春以花祀鼓之   吹之旗之歌之舞之今之王子祀日鼓吹旗歌舞者   其來也尚矣而世之邈祠宇荒壊風日不蔽越曁寛   永中有司奉命祇飾祠事乃因故兆新之遂遷飛鳥 【左丁】 音無川(をとなしかは)     蘭亭高帷馨  飛鳥山前漲碧渓  春來芳樹自成蹊  年年載酒看花處  不似桃源使客迷     金輪寺        堰埭(いせき)      音無川