翻刻
長(ながうすと)_二千載(せんざいを)_一。自謂驕奢(みづからいふけうしや)凌(しのぐと)_二 五公(ごこうを)_一。節物風光(せつぶつふうくわう)不(ず)_二相待(あいまた)_一。桑田碧(さうでんへき)
海(かい)須臾改(しゆゆにあらたまる)。昔時金階白玉堂(そのかみきんかいはくぎよくだう)。只今惟(たゞいまたゞ)見(みる)_二青松在(せいしようあるを)_一。寂寂(せき〳〵)
寥寥揚子居(れう〳〵やうしがきよ)。年年歳歳一床書(ねん〳〵さい〳〵いつしやうのしよ)。独(ひとり)有(あり)_二南山桂花発(なんざんけいくわのひらく)_一。飛(ひ)
来(らい)飛去(ひきよ)襲(つく)_二 人裾(ひとのもすそに)_一。【印「天真」】
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美(うつくし)い若衆(わかしゆ)などがかざり立(たて)たる馬(うま)に乗(のり)あそびありく龍(りよう)のわだかまりしかんざし屈膝(くつしつ)せる
をさしたる游女(ゆうぢよ)などがみゆる御史(ぎよし)とて目付役(めつけやく)の役所(やくしよ)も人〳〵上(かみ)を恐(おそ)れぬゆへ云付も法度(はつと)
も用(もちひ)ず鳥(とり)のすむやうに成(なり)て公事訴訟(くじそせう)をさばく廷尉(ていゐ)の役所(やくしよ)人 出入(でいり)なく雀(すゞめ)が栖(すむ)やうじや
天子(てんし)の城(しろ)か遠(とを)く御幸(みゆき)の道(みち)にのぞみはるかに見れば車(くるま)にのりりつぱなていで通(とを)る向(むかふ)の
堤(つゝみ)のあたり迄みへいつか見失(みうしな)ふた杜陵(とりよう)の北(きた)あたりは遊興人(ゆうきようしん)が弾丸(だんくわん)をもち鷹(たか)など
すゑかりをするおごり者(もの)がある身(み)の力(ちから)を人にかして役人(やくにん)が有(あり)て法度(はつと)がやかましい
から打殺(うちころ)す相談(さうだん)をするを客(かく)にかすと云 此族(このやから)渭橋(ゐけう)の西(にし)に多(おほ)し蓮華(れんげ)のやうな
焼刃(やきば)せし剣(けん)をたづさへありく男立(をとこだて)どもがある此者(このもの)どもは遊女(ゆうぢよ)やへねふしをする
桃李(たうり)は美人(びしん)の事(こと)なり遊女(ゆうぢよ)どもが日暮(ひぐれ)かたにはうすものゝ下着(したぎ)をきてうたをうたひ
氛氳(ゐんうん)と滞(とゞこほ)りもなくわき出(いづ)るやうにうたひ居(ゐ)る北堂(ほくだう)あたりは毎夜(まいや)遊興(ゆうきよう)人が
月(つき)の一(いつ)へんに照(て)らすやうに大勢(おほせい)いで馬(うま)に乗(のり)たも雲(くも)のごとく大 勢(ぜい)ゐる北里(ほくり)は
遊女(ゆうじよ)の居(ゐ)る所 町(まち)を云 五劇(ごげき)三条(さんでう)とは路(みち)の多(おほ)いこと東(ひがし)二 所(しよ)西(にし)一所の市場(いちば)あるを
三市(さんし)といふ其処より何(なに)にても取(とり)よび引付(ひきつけ)る心(こゝろ)を控(ひく)といふ其娼家(そのしやうか)には柳(やなぎ)が地を
はらひ槐(えんしゆ)が青(あを)み美(うつく)しくみゆる佳気(かき)とは目出たい気(き)うつくしい気(き)を云人どをり
多(おほ)く塵(ちり)などが立てくらひやうにみゆる娼家(しやうか)へは金吾(きんご)の官(くわん)などの歴(れき)〳〵
大 勢(ぜい)供廻(ともまは)りをつれ遊(あそ)びに来(く)る青(せい)〳〵とした屠蘇(とそ)の酒(さけ)にて宴(えん)をもよ
ほしあふむの鳥(とり)のかたちせし杯(はい)を用ひうすものゝはだぎも帯(おび)も客(きやく)の為(ため)に
とき御意次第(ぎよいしだい)になり歌舞(かぶ)も客(きやく)のため望次第(のぞみしだい)に勤(つと)む天子外戚(てんしぐわいせき)の伯叔(はくしゆく)
大将(たいしやう)にはなく将相(しやう〳〵)と称(しよう)する様(やう)な勢(いきほ)ひ盛(さか)んなる衆中(しゆぢう)が有(あり)王(わう)の勢(いきほ)ひは日(ひ)を
も転(てん)じ天(てん)をもひつくりかへすやうな勢(いきほ)ひ天(てん)といへは天子(てんし)にかゝるゆへ天子(てんし)をも