東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト 3

唐詩選画本, [五編]5巻 - 翻刻

唐詩選画本, [五編]5巻 - ページ 56

ページ: 56

翻刻

【挿絵】   烏夜啼(うやてい)      李白(りはく) 黃雲城辺烏(くはううんじやうへんからす)欲(ほつす)_レ棲(すまんと)。帰飛啞々枝上啼(かへりとんであゝとしてししやうになく)。機中(きちう) 織(おる)_レ錦(にしきを)秦川女(しんせんのぢよ)。碧紗(へきしや)如(ごとく)_レ煙(けふりの)隔(へだてゝ)窓(まどを)語(かたる)。停(とゞめて)_レ梭(をさを)悵然(ちやうぜんとして) 憶(おもふ)_二遠人(えんじんを)_一。独(ひとり)宿(しゆくして)_二空房(くうばうに)_一涙(なんだ)如(ごとし)_レ雨(あめの)。 【印「譱靖」「松軒」】 ------------------------------------------------------------------------------- 楽府題(がふだい)しや黄雲(くはううん)は暮方(くれがた)うす曇(くもり)に日(ひ)をうけて黄(きいろ)にみゆる城辺(じやうへん)の烏(からす)ねぐらを求(もと)め んとす終日(しうじつ)飛(とび)ありき城(しろ)の林(はやし)にとまりてなく秦川(しんせん)の女(ぢよ)が夫(をつと)の方(かた)へ錦(にしき)を織(おり)てやつたやうに 機(はた)を織(おり)てある碧紗(へきしや)はもじ障子(しやうじ)はきとみへぬを形容(けいよう)して煙(けふり)の如くと云 向(むかふ)に鳥(とり)の なくが間近(まぢか)く聞(きこ)ゆる物(もの)を言(いひ)かくる様(やう)な昼(ひる)の間(ま)織(おり)て居(い)る内(うち)はまぎれて遠人(えんじん)の ことも忘(わす)れたくれがた鳥(とり)の声(こゑ)を聞(きく)につけ夫(をつと)のことを思(おも)ひ出(だ)し又(また)今夜(こんや)もひとり 寝(ね)るであらうと思(おも)ひかなしみ涙(なみだ)雨(あめ)のごとし