翻刻
【右丁】
杏(きやう)
あんず
【左丁】
白杏(はくきやう)《割書:集|解》
しろあんず
形状同くして
実大に熟(しゆく)して
黄色なり
【右下】
沙杏(しやきよう)《割書:集|解》 はなあんず
形状(かたち)同くして花千弁菊花
の如(こと)く実(み)を結(むす)ふこと稀(まれ)也
蘭山の説(せつ)に《振り仮名:群芳譜|■【ちヵ】んほうふ》の沙(しや)
杏(きやう)は甘(あまく)して汁多く即世に
称(せう)する処(ところ)の水杏(すいきやう)なりと
いへり杏核(きようかく)は梅核(はいかく)に似て
扁(ひらた)く紋(ふん)粗(あら)し桃核(とうかく)に
比(ひ)するに円くして扁(ひらた)く
仁(にん)は梅(はい)仁より大ひ也
薬用(やくよう)すへし四国より
出(いた)す処の杏仁は真(しん)也
江戸(ゑと)に来(きた)るむきうめ
といふ