翻刻
【右丁】
そばの木
《割書:和名鈔》 そはくり このみ《割書:越|後》
ふなの木 しろぶな《割書:甲|州》 ビラニ《割書:蝦|夷》
ふんなくり きそば
【左丁】
越前越後松前其外諸国 寒地(かんち)に多く大樹あり葉は中(なか)
央(は)広く本末尖り周り雲頭(うんとう)の如く春月葉の間に花あり
赤楊(せきやう)《割書:はん|のき》に似たり後実を結ひ小毬をなし熟すれは四裂(しれつ)し
て一毬二子あり形 《振り仮名:■|しん》#1《割書:はし|はみ》に似て三尖あり又 蕎麦(そは)の形に似
て大なり秋月採りて食す味ひ栗(くり)の如し或は実より油を
搾(しほ)る材を焚木(たきき)となす炭に焚ときは四方へ飛ふ諸国に
て此材 椀(わん)杓子(しやくし)に作る又此木に生する菌をふなたけと
云大に毒あり宗奭(さうせき)の説に湖北一種 施栗(せんりつあり)頗(すこふる)円末尖即
《振り仮名:■栗|しんりつ》#2《振り仮名:■子|しんしの》#3形也(かたちなり)と云恐くは此ならんか