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四季漬物鹽嘉言 - 翻刻

四季漬物鹽嘉言 - ページ 12

ページ: 12

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【右丁】    きざみ漬(づけ) 沢庵大根(たくあんだいこん)の茎(くき)を干葉(ひば)にして多(おほ)くたくわへおきて 惣菜(さうざい)に遣ひ汁(しる)の実(み)にすべし右の茎の中よりやはら かき若(わか)かぶをゑりおきてよく洗(あら)ひ小一寸/位(ぐらゐ)に刻(きざ)みて 大根を短冊(たんざく)にうちて茎(くき)と等分(とうぶん)にまぜて醤油樽(せうゆだる) 一杯(いつぱい)ならば塩(しほ)一升/斗(ばか)り入て能(よく)もみ手比(てごろ)なる押石(おしいし)を かけて漬(つけ)るなり十余日/過(すぎ)てざつと洗(あら)ひ醤油をかけて 当座喰(とうざぐひ)にすべしなま漬は無用なりすこしつき すぎたる方がよろし 【左丁】    大坂切漬(おほさかきりづけ)《割書:上方にてはくもじといふ又くきともいへり》 大根(だいこん)と蕪(かぶら)と等分(とうぶん)に葉(は)茎(くき)ともにきざみ込(こみ)て醤油樽(せうゆだる) ならば塩(しほ)五合を入て能(よく)もみ合(あは)せ強(つよ)く押(おし)て漬(つけ)るなり 十余日を経(へ)てざつと洗(あら)ひかたくしぼりて香(かう)の物(もの)鉢(ばち)へ 入(いれ)置(おき)菜箸(さいばし)にて自分(じぶん)の喰(くう)ほど手塩皿(てしほざら)へとりて別(べつ)に ちいさき片口(かたくち)の器(うつわ)へ醤油(せうゆ)を出し置(おき)銘々(めい〳〵)にかけて喰(くう)なり 是(これ)醤油(せうゆ)をかけすごしても捨(すた)らぬやうに利勘(りかん)なる工夫(くふう) なり上方(かみがた)にては専(もつぱ)らすることなり歯(は)ぎれよくいたつて 淡薄(たんぽく)なる風味(ふうみ)なり