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コレクション: STAGE3

安政見聞誌 上 - 翻刻

安政見聞誌 上 - ページ 4

ページ: 4

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産土(うぶすな)の神(かみ)〻の守り給へるなるべしと諸人いひあへり。扨(さて) 夜明けて後(のち)。遠近(おちこち)のありさまを聞に。其噂(そのうはさ)とり〳〵 にて虚実(きよじつ)とりまじへて。證(しよう)としがたき事のみおほかれば。予(おのれ) 四方の知己(ちき)を訪(とぶ)らふついで。その処〻(しよ〳〵)のさまを見るに随(したが)ひ 是(これ)を図(づ)し。聞(きく)にしたがひ是を記(しる)し。後(のち)生の児輩(こどもら)に。此災厄を 知(し)らで。枕(まくら)を高く安らかに眠(ねふ)れる 御代(みよ)のかたじけなさをしらしめんとて。一ツの冊子(さうし)につゞり おきぬ同じ大江戸のうちにも。其|災厄(わざはひ)に軽重(けいぢう)あること など。よみもて知り給へといふ     凡例 一今度の地震より火災(くわざい)起(おこ)り武家寺社町家(ぶけじしやてうか)に至迄|御(ご)府|内(ない)及|近国隣国(きんこくりんごく)  まで響(ひゞか)さる所なし依之|異変(ゐへん)有所を穿鑿(せんさく)して後代の便(たよ)りにせんと思へ共  至り見|尽(つく)す事|能(あた)はす御府内すら数日(すじつ)の巡見(じゆんけん)を得(え)て此書(このしよ)のことく  記(しる)すと雖悉(いえともこと〴〵)く知(し)ることかたし猶漏(なほもれ)たる所も多かるべし 一【○の中に一】如此記したるは其|焼失(しやうしつ)火元を知らんに早(はや)く方位(はうゐ)を分る便(たより)とする也  遠国(ゑんごく)他境(たけう)の人其見んとする所は此番を引て志す所を早見出しとす 一寺社の破損(はそん)《ルビ:数ヶ所|すかしよ》にして異変の事共|亦多(またおほ)し是等(これら)他境(たきやう)の人に  語(かたら)んと思へ共|其数量(そのかすはか)りがたく些(わづか)に四五を挙る 一御|救(すくひ)小屋施入亦町〻|施行(せぎやう)人の丹誠更(たんせいさら)にめて度(たく)数多(あまた)の財宝(たから)を散し  窮民(きうみん)を赦ふ事|仁性(じんせい)の最上(さいじやう)と称(しやう)すべし依之五ヶ所御小屋へ施入(せにふ)の  分は其人の住居(すまゐ)の所へ記し一小屋限り施入は其小屋の所へ記す 一此|書中(しよちう)に所〻|潰崩(つふれくつれ)破損等の語多し是皆其所の破損(はそん)の大小  を分る為(ため)にして崩は形残(かたちのこ)り潰は凡|焼失(しやうしつ)の如くと知(し)るべし