翻刻
【右丁】
一種 はちや
葉長大実もまた大に形
みの柿(かき)に似(に)て長さ三寸 許(はか)
り囲りも三寸許これを
皮を火#1乾(かは)かして粉を生せ
しめ白柿(はくし)となす尤上品也
又秋月 半熟(はんしゆく)の物を採り
器中に飲(おさ)め一旬を過れ
は自(おのつか)ら熟(しゆく)して柔(やはら)かく味ひ
甘しこれを東土にてはち
やといふ
【左丁】
君遷子(くんせんし) さるがき すゝかき《割書:大和|本草》 櫺棗(れいさう)《割書:典籍|便覧》
桾櫏子(くんせんし)《割書:正字|通》 軟棗(なんさう)《割書:救荒|本草》
形状柿(かき)と同(おなし)く実(み)小にして指頭(しとう)の如(こと)く円(まる)くして長(なか)みあり
核また小(せう)なり大和本草に此(この)柿(かき)丹波(たんは)にあり味 甘(あま)きこと
常の柿(かき)の如(こと)しと云(いへ)り 此物大#2にて熟(しゆく)したるをとり食(くら?)ふ
又青色なるをとりて水に浸(ひた)し柿渋(しふ)に作(つく)る一種みやま
かきと云物房州山中にあり葉まめかきに似て狭(せは)く
長(なか)く実(み)もまめかきに似て扁(ひらた)し