翻刻
【右丁】
醂柿(りんし) たるぬき
西土(から)にては諸の水につけて渋味(しふみ)を去(さり)#1を云本邦にては皆酒
器へしふかきを入れ酒を吹置(を)く時は渋味(しふみ)去(さり)て味(あしは)ひ甘(あま)し
柿餻(しかう) かきこづき
西土(から)にては糯米(たへい)を用ゆ本邦にては粳米(かうへい)或(あるひ)は大麦(たいはく)を炙(い)
り粗(あら)き末(まつ)となし渋(しふ)かきの堅(かた)き又烘柿(しゆくし)を入れ擣拌匀(つきかきませ)せ#2
餻(かう)となすときは渋味(しふみ)去(さ)りて甘(かん)なり
【左丁】
椑柿(ひし) みのがき
柿中にては下品(けひん)
にして山野に栽(うへ)て大
樹となる実小なるは
一寸 許(はかり)り#3長(なか)ふして
尖(とか)りあり霜を経(へ)て
も渋味(しふみ)去(さ)りかたし
緑色なるをとりて
水へ入(い)れ渋漆(しふ)に作
る又塔柿ともなす
一種 みづはちや
形状長ふ
してみのか
きに似たり
醂柿(りんし)に作(つく)
り又 乾柿(かんし)と
なす