翻刻
○此地震考一冊は予か師涛山先生の考る所にしてこの
頃童蒙婦女或は病者などさま〳〵の虚説にまど
ひておそれおのゝきまた今に小動も止ず此後大震
やあらんと心も安からざれは歴代のためしを挙(アゲ)て其
まとひを解(ト)きこゝろをやすんぜ《?:ゑ》らしむ京師は上古
星霜八十年を経れは知る人すくなし此災異に係(カヽリ)
て命を損し疵をかうふる人数多なり時の災難とは
いへども亦免かたしとも言べからす常に地震多き国
は倉庫家建も其心を用ひ人も平日に心得たれは大-
震といへども圧(アツ)死(シ)すくなし和漢の歴代に記せし地
裂山-崩土-陥島-出涛-起等は皆辺土なり阿含経智度
論などさま〳〵に説て大地皆動くやうに聞えり左に
はあらず初めにいへる如く震は各-処各-気各-動也予
天経或問に拠て一図をまうけて是を明す