翻刻
【右丁】
もりありけりさて中将殿のおきさせ給ふをし
しう見たてまつれはきのふにはかのしくれに
御かさ参らせられし人なりきのふみたてまつ
りしよりも御かほのよそほひなのめならすう
つくしくおはしけるしゝうよにうれしくそお
もひけるさて御てうづもちて参りけれはしゝ
うとりて参らせけるひめきみ御てうつさせ給へ
はことつめをかせ給へは中将殿あそばすかとと
ひ給へはしゝううちゑみてよしあしきはしり参
らせ候はすと申けれはひめきみ御かほうちあか
めさせ給ふ御けしきあくまてあひきやうかま
【左丁】
しくてみれとも〳〵あかれすあまりにうつくし
くおはすれは中将殿ひめきみの御手をひかへ
てきよみつのへつたうの心のうちこそおそろし
く候へと仰られけれはあくまてはつかしけなる
御けしきにて御手のぬれなから引入てきぬ
ひきかけてより
ふし給ひぬ
さて中将殿は
ちゝ大しん殿御かたへ
参り
給ひぬ