翻刻
【右丁】
ほとにくらゐもとくあからせ給ふへきに七日かう
ちにちゝはゝなからむなしくならせ給ひてのちめ
のとのはこくみ【はごくみ=育み】はかりにて三てう殿にわたら
せ給へるかあまりにつれ〳〵かきりなくしてはし
めてきよみつへ参らせ給ひて候をへつたう見
参らせ候てうきこと出きてこれまて参りて候
と申けれはさてはわかよく見参らせ候人やあ
はれなるちきりかなとそおほせありける中将殿
の御めのとのかすかをめしてきよみつに参りた
るりしやうに人をまうけて有なりめしつ
かうへきことのなきに御身かおとむすめ【乙娘…次女以下の娘をいう】参らせよ
【左丁】
とおほせありけれはめのとはしゝうをまつう
ちみてわか御しうの女御こそならひなしとおもひ
つるに世にはかゝる人もおはしけるとおもひて
つく〳〵とまほり【守り】ゐたる所に中将殿きちやうあ
けておほせけるはあれはわかめのとなりはち
おほしめすへからすこなたへ出させ給へとありけれ
はまた人もあるにやとおほして出させ給はねは
中将殿くるしからすとてきちやううちあけ給へ
は御めのとこれをみたてまつりてありかたの御す
かたや世にはかゝる人もわたらせ給ふかとつく〳〵
とみたてまつりけるさてかすか立かへりむすめの