翻刻
【右丁】
ほとけもいたはしく御らんすらんとかやうにめん
〳〵に申ともたゝひめきみはふし給ひぬ御あ
りさまなのめならす【普通ではない】うつくしくそ見え給ひけ
るさてくたひれなんとするに参りをそしとて
十二三はかりなる上わらは御とき【御伽】におきて女はう
たち四五人うちつれて参りけるその中に中将
殿よきひまとおほしめしてもみちかさねのうす
やうにかくなん
たまほとのみちゆきすりにみつるより
ちきりはふかき物としらすや
かやうにかきひきむすひ給ひて六ゐのしんをめ
【左丁】
たゝひとめ御らんして人たかへ【ひとたがへ=人違へ】にてそ候らんおも
ひよらぬ事とて御手もふれすかへされけりわら
は出て見けれはつかひはやかへりてみえさりけれ
はふみうけとりたらん所にすてよとておほせけ
るわらはたち出てすてにけりさるほとにきよ
みつのへつたうこのひめきみをみたてまつりてめ
のとにむかひやう〳〵に申けりめのとむすめ二人
ありあねはせうなこんとて廿になるいもうとはしゝ
うとて十八になるおやに申やうちゝはゝのまし
まさはとてこそよき事もおはせめそうと
てもなにかくるしきわれ〳〵かめにもめやすき