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【右ページ】
道成寺鐘(どうせうじのかね)
真那古(まなご)の庄司(しやうじ)が娘(むすめ)
道成寺(どうじやうじ)にいたり安珍(あんちん)が
つり鐘の中にかくれ居(ゐ)たるを
しりて蛇(じゃ)となりその鐘(かね)をまとふ
この鐘(かね)とけて湯(ゆ)となるといふ
或(あるいは)曰(いはく)道成寺(どうじやうじ)のかねは今 京都(けうと)
妙満寺(みやうまんじ)にありその銘(めい)左(さ)の
ごとし
紀州(きしう)日高郡(ひだかごほり)矢田庄(やたのしやう)
文武天皇(もんむてんわうの)勅願書(ちよくぐはんしよ)道成寺(どうじやうじの)冶鐘(やしやう)
勧進(くはんじんの)比丘(びく)別当(べつとう)法眼(はうげん)定秀(でうしう)檀那(だんな)
源万寿丸(みなもとのまんじゆまる)并(ならびに)吉田(よしだ)源頼秀(みなもとのよりひで)合山(がつさんの)
諸檀越(しよだんおつ)男女(なんによ)大工(だいく)山願(さんぐはん)道願(だうぐはん)小(せう)
工(く)大夫(たいふ)守長(もりなが)延暦(ゑんりやく)十四 年(ねん)乙亥(きのとのい)
三月十一日
【左ページ】
灯台鬼(とうたひき)【燈臺鬼】
軽大臣(かるのだいじん)遣唐使(けんとうし)たりし時 唐人(とうじん)大臣(だいじん)に唖(おし)になる薬(くすり)をのませ身(み)を彩(いろど)り頭(かしら)に灯台(とうだい)
をいたゞかしめて灯台鬼(とうだいき)と名(な)づくその子(こ)弼宰相(ひつのさいしやう)入唐(につとう)して父(ちち)をたつぬ灯台鬼(とうだいき)
涙(なみだ)をながし指(ゆび)をかみ切(き)り血(ち)を以て詩(し)を書(しよ)して曰(いはく)
我(われ)元(もと)日本(につほん)華京客(くはけいのかく) 汝(なんぢは)是(これ)一家同姓人(いつけとうせうのひと)
為(こと)_レ子(なり)為(おやと)_レ爺(なる)前世契(ぜんぜのちぎり) 隔(やまを)_レ山(へだて)隔(うみを)_レ海(へだて)変生辛(へんぜうからし)
経(としを)_レ年(へて)流(なみだを)_レ涙(ながす)蓬蒿宿(ほうかうのやど) 遂(ひを)_レ日(おひ)馳(おもひを)_レ思(はす)蘭菊親(らんきくのしん)
形(かたち)破(たきやうに)_二他郷(やぶれて)_一作(とうきと)_二灯鬼(なる)_一 争(いかでか)皈(きうりに)_二旧里(かへりて)_一寄(このみを)_二斯身(よせん)_一