翻刻!草双紙の世界

コレクション: @chinjuさんと読む草双紙

百鬼夜行 3巻拾遺3巻. [2] - 翻刻

百鬼夜行 3巻拾遺3巻. [2] - ページ 12

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【右ページ】  泥田坊(どろたばう) むかし北国(ほくこく)に 翁(おきな)あり子孫(しそん)のために いさゝかの田地(でんぢ)をかひ置(おき)て寒暑(かんしよ) 風雨(ふうう)をさけず時々(とき〳〵)の耕作(こうさく)おこたらざり しにこの翁(おきな)死(し)してよりその子 酒(さけ)にふけりて 農業(のうぎやう)を事(こと)とせずはてにはこの田地(でんぢ)を他人(たにん)にうりあたへければ 夜(よ)な〳〵目(め)の一つあるくろきものいでゝ田(た)かへせ〳〵とのゝしりけりこれを 泥田坊(どろたばう)といふとぞ 【左ページ】  古庫裏婆(こくりばゞ) 僧(そう)の妻(つま)を梵嫂(ぼんさう)といへるよし 輟耕録(てつこうろく)に見えたりある山寺(やまてら)             に 七代 以前(いぜん)の住(ぢう)持(ぢ)の愛(あい)せし 梵嫂(つま)その寺(てら)の 庫裏(くり)にすみ     ゐて 檀越(だんおつ)の米銭(べいせん)を かすめ新死(しんし)の 屍(しかばね)の皮(かは)を はぎて  餌食(ゑじき)と  せし   とぞ 三途河(さうづがは)の脱衣婆(だつゑば) よりも    おそろし〳〵