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【右ページ】
大座頭(おほざとう)
大座頭(おほざとう)はやれたる袴(はかま)を穿(はき)
足(あし)に木履(ぼくり)をつけ手には杖(つえ)を
つきて風雨(ふうう)の夜(よ)ごとに大道(だいどう)を徘徊(はいくはい)す
ある人これに問(とふ)て曰(いはく)いづくんかゆく答(こたへ)ていはく
いつも倡家(しやうか)に三 弦(げん)を弄(ろう)すと
【左ページ】
火間虫入道(ひまむしにうだう)【火間蟲入道】
人生(じんせい)勤(つとむる)にありつとむる時は匱(とぼし)からず
といへり生(いき)て時(とき)に益(ゑき)なくうかり〳〵と
間(ひま)をぬすみて一 生(しやう)をおくるものは
死(し)してもその霊(れい)ひまむし夜入道(よにうだう)と
なりて灯(ともしび)の油(あぶら)をねぶり
人の夜作(よなべ)を
さまたぐると
なん
今 訛(あやま)りて
ヘマムシと
よぶは
へとひと
五音(ごいん)
相通(さうつう)也