翻刻
扨も鬼市はす百年の
あいだおく山にすみけれども
きん年?つよく
御せいとう
たゝしくまこと
にいつくか鬼の
すみかなるらん
と
いふ歌の【草も木もわが大君の国なればいづくか鬼の棲なるべき 太平記 巻第十六「日本朝敵の事」】
あり
さまにて山〳〵
たに
〳〵
まで
も
御
じん
とゝ
の
いたらざる
所なくその上
きん年みせ
物師といふもの
ありて何かなめづらし
きものをみ出さん
とみ山ゆふこくのころなく
たつねもとむるゆへさすかの
鬼市も大江山のすまひも
なりがたくなりければいまは
人ざとへいでゝいかなる身にも
なるつもりなれともおそろしき
おにのすがたてはつまらぬゆへまづ
つのをもぎさかやきをそりほんだに
かみをゆいければなか〳〵よいをとこ
ふりになりけるしかし
本田にかみをゆふを
どふしてしつたやら
ときをりくも
に ても
のり あるい
て
み
お
ぼへし
もの
か
【鬼市の台詞】
これは
とんだいきな
ふうになつた
わへこれからむさし
のくに江戸へ出て
たんばや鬼市とこじ
つけよう
しよせん山おくにこけ
おしみをしても
おにてはくへぬ
これから
江戸で
人になり
ませう