翻刻
よのことわざに人に 人おにはないと
いふたとへのごとく鬼市
は大江山の千丈がだけ【千丈ヶ嶽】から
きのふけふ江戸へ出たところが
さうおうに【相応に】せわに
する人ができて
あさくさへんへ町の
かゝへに【雇われ人として?】すみければおやぢ
のかぶのどうじかうし【童子格子、着物の模様】の
はんてんもゝひきで
かなぼうをひきすり
町内をまわりけるが
くわんらいおとこは
大きしちからはつよし
どうもいへぬかゝへのものと
大屋さまたちのきにいり
き市〳〵とめされけるこそおこ
がましあるときてう内【町内】のゐさかや【居酒屋】へ
わるもの四五人酒のみにきたり
けんくわをしだしあばれけるを
鬼市はことゝもせず五人の
あばれものをれいのかなぼう
にてうち
ふせけるこれ
おににかなぼう
のつよみならん
かさねての
ためじや
大きな
めに
あわせるか
よふござる
みるものじやない
とをらしやい〳〵