翻刻
【右丁】
●䗜蜒(なめくじ)作 又法しつける地に付古傘ヲ置へし
此中へなめくじ出来いたす也
竹廣記テハ地骨皮(ジコツヒ)牙硝(ケセウ)柳枝(リウシ)水を用て煑ル
●象牙(ぞうげ)鹿角ニテ珊瑚珠(さんごじゆ)ニ仕法
鹿の角ヲ其器の形を拵へ上酢ニ蘇枋(すおふ)ヲ入レて是ヲ煑る
取出し堅煎脂ヲ能々付て色よき時又々さつと以前
の酢へひたし煑べし色見合取出ス寔ニ珊瑚珠玉ニ
成るなり
●石を和ニする法
胡葱ヲ舂たゞらかし【爛らかし】冷水ニ入焼物の鍋ニて煑ル水
減らハ又熱水を入煑る叓三伏時石和カニ成るヲ
度とす何にても器に造べし終而甘草水ニテ煑る事
【左丁】
一伏時なれハ又元の如くニ堅ク成るなり
●磁器類江穴ヲ穿又ハ心ニ任セ切製術
磁器の類江穴明ルニ夏月極暑の時杦の木ニて錐(キリ)ヲ拵へ
此きりニ䗜蜒(なめくじ)ヲさし通シ炎日ニ干べし能かわき付物也
この錐(きり)にて穴ヲあくべし心易く穴穿なり又鋸小刀の類
も拵へ是ニ䗜蜒ヲ干付べし何様磁器にても切レル叓疑
なし
●硝子絹
絹ヲ火の上に干引張テ渋柿ヲ弐ツニ割テ是ヲ数遍する
硝子(びいどろ)の如クニなる又なき時ハ上之新渋ニ白砂糖ヲ加へ絹を
火ニあふり引べし此絹ハのし目なれば一段吉又一方には