翻刻
月にむらくも
くじらにしやち
うら島乙姫が
ひすいゑんわう【翡翠鴛鴦】の
ちぎりもかの
さるといふしやまが【邪魔が】
はいりくる
ばんも【来る晩も】〳〵あしく
すればないしよ【内所=遊女屋の事務所】の
きこへもあしく
しよせんひと
きやうけん
かいて【ひと狂言書いて】□る【さる】を
つき出して
しまふつもりに
して
だれにも
かれにも
よく
すいつく
たこのと
いふ女郎を
みたてさる
にいろしかけ
にさせる
そうだん
にする
【翡翠鴛鴦:男女の契りが固い様子。鴛鴦はオシドリのこと。鴛がオスで、鴦がメス。常に夫婦一緒にいる鳥だと思われていた。それと同じで翡翠はカワセミのことで、翡がオス、翠がメス。夫婦セットで翡翠という生き物だと思われている。】
【うら島】
〽おまへたこの
せうで
すいつき
なさる
から
ソレ
ろうかて【廊下で】
ちよいと
小あたり
はせう
ちだ
ろう【承知だろう】
【たこ】
〽たまをやつ
たりしやく
つたりする
事は
たこ
だけ
にゑ
て
もの
で
おつす
しかし
わたしやァ
どうしても
おさ
さ□
よ
【乙姫】
〽ぬしのほんの手でかいてみ
なんしちきに【じきに】ふいとのつて
くるはしれた事でおつす