翻刻
環曰
大和本草天南星の條下に曰南星に二種一種芋の似
葉色に有光岐三ツに分る實紅一處に多く集又一種似て菎蒻に
茎に黒点多し本草にも有二種と記せり花は反(そりかへり)鐙の根を爲藥と二
種共に用又白花ありと云々前に曰く似て芋の葉に光あり岐三ツに分る實紅
色と云者引地錦抄を見曰則由跋也其苗宿根より春生す似て
天南星に葉の莖極二莖三葉を生す似半夏葉に表光れ厚し
中より花出る似て天南に有異鐙の状なる故に和名武藏鐙と云秋實
紅實如し朱の云々者是也天南星は其葉根似ると云蒟蒻に者也
與由跋別物なれ共時珍南星の小なる者を爲由跋と其種別に而
一種の者也南星の子種(みはへ)はより 出者(かはりたる)ならん
乎和漢三才圖會 此説を
記し別に武藏鐙を載たり其最合へり僨と本草の説を不非
南星の小なる者に委くは前巻き春の一部天南星の條下を可見白
花の者は載たり地錦抄に由跋花白き者ならん乎
天南星 由跋 觀喜草(えきもちさう)
此の三物相同而同異
増補多識編毒草類ニ曰
由跋(ゆはつ)《割書:和 加幾豆|名 波那|》
和漢三才圖會毒草類ニ曰
武藏鐙(むさしあぶみ)
草珊瑚珠
《割書:くささんごじゆ|》
丁亥姑洗廿有九日真
寫
異名分類抄に曰
由跋 和名類聚抄
和名 加木豆波那
廣益地錦抄に曰
由跋(ゆはつ) 和名 武藏鐙
本草一家言云
由跋 有両種 大半夏
武藏鐙 一名 冠草