翻刻
んと欲(ほつ)す然(しか)るに「ストレリッツェレ」《割書:地|名》の兵(ひやう)又(また)乱(らん)を作(おこ)
し帝(てい)を廃(はい)せんと謀(はか)る故(ゆへ)を以(もつ)て一千六百九十八
年/我国(わがくに)の元禄(げんろく)十二/己卯(つちのとう)年/彼(か)の九月/帝(てい)急(きう)に莫斯(もす)
科窪(こう)に返(かへ)る此時(このとき)俄羅斯(おろしや)の「ゴルドン」《割書:人|名》すでに其(その)
乱(らん)を平(たい)らぐ然(しか)れとも帝(てい)の怒(いか)り猶(なを)未(いま)だ霽(は)れず反(はん)
賊(ぞく)を収(おさ)めて盡(こと〴〵)く惨刑(さんけい)に処(しよ)せんとし十月に迨(およ)ん
で日々に罪人(ざいにん)を刑戮(けいりく)す血浪(けつらう)【「チノナミ」左ルビ】之(これ)が為(ため)に平地(へいち)に泛(ぼう)【「アフ」左ルビ】
濫(らん)【「レル」左ルビ】す帝(てい)反賊(はんぞく)の巨魁(ちやうぼん)は帝(てい)の女兄(おぢ)「ソヒア」ならんと疑(うたが)
ひ嚮(さき)に徙(うつ)したる寺前(てらのまへ)に縊台(えきだ[い])【クビク[ク]ルダイ」左ルビ】を建(たて)て一百三十人
を縊死(しめころ)す内(うち)三人は「ソヒア」を勧(すゝ)めて反逆(ほんぎやく)を企(くはだ)て