翻刻
を疑(うたが)ひ「スユスダル」《割書:地|名》の寺(てら)に移(うつ)し其(その)名(な)を易(かえ)て「ヘレ
ナ」といひ帝妃(きさき)の位(くらゐ)を奪(うば)ひ庶(つね)人の衣(ころも)を服(き)せしむ」
此(この)騒乱(そうらん)の際(あいだ)に帝(てい)の二友(じゆう)列福耳多(れほると)《割書:人|名》「ゴルドン」《割書:人|名》
も亦(また)死(し)す「メンシコフ」《割書:人|名》と云(いふ)者(もの)あり元(も)と卑賤(ひせん)な
れども才智(さいち)衆(しゆ)に超(こ)へ力(ちから)を王事(おうじ)に竭(つく)すを以(もつ)て帝(てい)
大(おほひ)に之(これ)を擢用(てきよう)【「アゲモチフ」左ルビ】し恩寵(おんてう)優渥(ゆうあく)【「フカクアツシ」左ルビ】なり帝(てい)已(すで)に数々(しば〳〵)反乱(はんらん)
の変(へん)に遇(あ)ひ自(みづか)ら謂(いへ)らく国(くに)を治(おさ)め民(たみ)を安(やすん)ずるは
尤(もつとも)急務(きうむ)なりとし精(せい)を励(はげま)し治(ぢ)を図(はか)る心(こゝろ)愈(いよ〳〵)切(せつ)なり
是(こゝ)に於(おい)て国中(こくちう)の貢税(ねんぐ)を減(げん)じ「ボヤーレン」《割書:諸|侯》の鹵(ろ)
簿(はく)の数(すう)を省(はぶ)かしめ又(また)国益(こくえき)を開(ひら)くが為(ため)に外藩(くはいばん)に