翻刻
出游(しゆつゆう)し聚珍版(うへじばん)【注】を創(はじ)め有用(うよう)の書(しょ)を購求(かうきう)【「アガナヒモトメ」左ルビ】し国中(こくちう)の
大府(たいふ)ごとに学校(がくかう)を建(たて)て新(あらた)に寺觀(てら)の律令(おきて)を定(さだ)め
欧邏巴(えうろつば)諸州(しよしう)より兵学(へいがく)に精通(せいつう)【「クワシクツウズ」左ルビ】し諸術芸(しよしゆつげい)を覈明(かくめい)【「キワメアカス」左ルビ】す
る人(ひと)及(およ)び諸工匠(しよこうしやう)を招(まね)き邀(むか)へ国(こく)中の土民(どみん)を召(めし)て
告(つげ)て曰(いは)く汝等(なんじら)をして皆(みな)其(その)処(ところ)を得(え)て富殖(ふしよく)ならし
め土地(くに)を衛護(えいご)【「マモリ」左ルビ】して争乱(そうらん)の患(うれ)へなからしめんと
約(やく)し竟(つい)に其(その)言(こと)を践(ふん)で金坑(かなやま)を開(ひら)き又(また)家畜(かちく)を蕃殖(はんしょく)
し耕耘(かうさく)を勧(すゝ)め輿地(よち)築城(ちくじやう)二科(にくは)学者(がくしや)を四方(しはう)に遣(つか)は
して封内(ほうない)諸州(しよしう)の地図(ちづ)を作(つく)らしめ兵器(へいき)を造(つく)る鍛(か)
治場(ぢば)諸器什(しよきじう)の工作場(こうさくば)を設(まう)く已(すで)にして「オヽステ
【注 振り仮名の意からすると「植字版」で、活字を組んで作った印刷版のこと。漢字の訓みは「しゅうちん版」。中国、清朝時代、活字版の別称。乾隆帝が四庫全書中の善本の活字版にこの名を賜うたのに始まる。】