翻刻
さても入道ふうふはかのきんときをとほしすごし
心をしづめてよくみればさとういりのきんとき
なればはじめてあんどのおもひをなし道を
いそぎて今金時の門口にいたりおづ〳〵
あんないしわれ〳〵は見こし入道雪女
にて候が何とぞおむづかしながら
金時せんせいさまにおめにかかり御ねがひ
申したきしさいありと申入れば何ごとにや
これへとほせとひとまへいれば金時
ゆうぜんとざしてひげぬきながら
めづらしや入道たづねきたりし
しさいいかにいへきかんといぎ
げんせんたるいちごんに入道は
ハットひれふし御けんご【堅固、達者なこと】のてい
まづ〳〵きやうえつ【恐悦】さておねがひ
のぎべつぎにあらずいつも〳〵
てしたのばけものどもとかく
そこつなることをいたし人げん
さまをなやまし奉るだんさぞはや
御りつぷく【立腹】のほどおそれ入り奉り
ますしかるにばんたんしはい【支配】仕り
まするわたくし此うへはとりしまり
仕りふつゞかなるぎいたさせませぬ
ほどに何とぞ御たいぢの御さた
御とゞまり下さりませうなら▼▲
【左ページ下へ】
▼▲ふんこつ
いたして
せいとう
いたし
ませうと
ことばをつくし
たのみける
金時きゝて
なるほど
もつともなる
ねがひ此せい
ひつのみよの
ありがたきを
おもひむかしは
はこねから
こつちと
きめたが
あちら
とても
かならず
次へ【⬜囲み】
【左ページ上 台詞】
〽入道はちと
すぎもの
テモうつくしい
これがほんの
白ものじや
なア