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翻刻
才長刀目方拾一〆目
酒井雅樂頭様播州姫路御家中秋元周介殿四
十才壱寸六分角強弓矢目方四十五文目
細川越中守様肥後熊本御家中溝口久太夫様
三男兵馬十八才鉄魔棒目方三十二〆目大剛
無双之少年にして此人去丑年秋堺鉄炮鍛冶
榎並某の方へ三四十〆目位鉄棒こしらへを
呉候様被申けれは亭主大きに驚きなから値
を定日限約し帰らるゝ亭主は夫ゟ鉄三束を
撰み刃鉄を鍛ひ心を尽して出来上るやかて
其日になりて彼少年被参鉄棒を見て大に悦
ひやかて左の手に携りう〳〵と打振今少し
重けれはよかりし顔色も不変静に被申しあ
り様亭主を始家内之者も一同に暁天し如何
様是は鬼神天狗の化身ならんと囁合ぬ彼少
年値を渡し外ニ祝義として金をあたへ彼鉄
棒を苦もなく引提ケ高足駄を踏なから出行
けり亭主あまり不審さに跡ゟ人をつけて見
せしむるにやかて中之嶋の藩邸へ帰られけ
る其比堺ニ而は専ら此事を申振し人々其剛