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あんのごとくいわやゟ。はくはつ【白髪?】たるらうおう【老翁ヵ】身にはこのは【木の葉】をまとい。ゆるぎ出させ給ひければ。人々はつと【ハッと】らいは
い【礼拝ヵ】す。時にもくの丞兄弟おきなにむかい。我々ねがいのしゆくぐはん有。百日さん□□【さんらう=参籠?】□…【破れあり】
のすまい。何とぞ一たび世に出候やうに。かなへさせ給はゞ有がたかるべしといへば。せんにん兄弟をみてを□其【破れ】
ほうな人そう【人相】天子の御やくにも立へききりやう。おもてにあらはれたり。をつ付ねかいじやうしゆせん。我かげ身【影身】
にそふてまもるべしとの給へは。兄弟はつと悦び。扨かづさの介にむかい。こなたにもねがひのあらは申上給へ。はる時
某【それがし】もしゆくぐはん候か。御ゆるしをかうふりひそかに申あげたきとのぞむ。ぐづうおきな聞召【?】。をゝこれへ〳〵何事
にても申されよ。かづさの介悦びまぢかくよつて。おきなを取てしめんとす。もとゟぐづうじんづう力のおきな。
かづさの介をつきのけまなこをいららげ。是はいか成事に某を打んとはする。もくの丞兄弟きもをけし。
是々お侍某をたのみ此いわやに来り。をきなを打んとは心へずと。なかにへだゝりいかる。かづさの介聞をゝふし
ん尤。是にはやうす有君ゟのせんし【宣旨】にて。今川かづさの介大しまたてはき打てにむかふたりといへば。おきな■。
いよ〳〵ちよくでう【勅諚】とは心へず。之【この】せうこは。両人それ〳〵侍共はたをあげよ。畏てはた二さしあげる。ぐづう見て
誠にさ【左】そうりやう【蒼龍】う【右】びやつこ【白虎】のはたにまがいなし。然れ共ちよくでうにもせよ。打てさしむけられん覚へなし。
かづさの介おゝ御ふしん尤やうすをかたり申べし。されは天子よめいかたぶけ共太子のなきをかなしませ給ひ。
ときのはかせうらべの長れいをめしてうらなはせ御らん有れは。きんふぜんにぐづうのおきなと申が。せんしゆつの【仙術の】
ぎやうをつとめ。天子にむまれ来らんとねがふ。今す年を待給はゞたいし御たんじやうあらんとうらなへ共み
【左ページ】
かどのよはひおぼつかなし。いそぎきんふせんへ立こへ其おきなを打て来るべしとちよくでうにて我々を
さしむけ給ふとてはなせは。ぐづう聞召【?】。何某が天しにむまれんとのねんぐわんを長げんがうらなふたとや
扨はくわん【願】じやうじゆ【成就】ぜしかと天道をはいし。両人にむかい。我いやしくも天子に生れんと。しゆつせをの
ぞみてせんじゆつの行をつとめ。千ねんのよはひたもつ所に。九百九十年までつとめ。今十年
のみてすそれに打れけれは。ぜんにんかへつてあく人とむまるゝ。此ぐわんみてる【満てる】まではなか〳〵おもひよら
す。此事きみへうつたへ給へ。まつ〳〵かへられよ。大しまなか〳〵聞いれず。いやちよくでうなればうたでをく
へきか。そこのき給へといかる。かづさの介引とゞめ。尤其ほう申さるゝごとく。只今打はやすけれ共。今十
ねんのぐわんみてねは【満てねば】。ぜんにんかへつてあく人と成とあれば。一まづそうもん【奏聞】申。其のうへにてともかくもせん
ひり【非理?】【此理?】をせめてとゞむ。大しま聞是かづさの介。君のせんじ【宣旨】をうけのめ〳〵【=おめおめ】と打ずにさやうの事が申さり
よか。其方はそ□□ん【汚れあり。そうもん=奏聞?】いたされ。ようだては【用達は?】かへらずといへばぐづう聞給い何ほどにいふ共かなはぬ事。風ふか
ばふけ雨ふらばふれといわやにいらせ給ひける。大しまいかつて。たとい岩やに入たるとて其まゝをくべきかと
たちぬき【太刀抜き】打てかゝるをがづさの介は打すまじとたがいにあらそふ。もくの丞中にへだゝり是々お侍。一まづヵかみ
へ申。其後にいかやう共せんと有に聞わけなし。ぜひおきなをうち給はゞ某【それがし】のあいてに成申さんとてかづ
さの介を引のけ大あく人と。太刀にてをかけたがいにせり合所へくづうおきないわやゟ立出。是■そ
方々。尤かづさの介が某を打まじきといふにも一り有。又大しまがうたでかなはぬも尤。又互にあいはて□【汚れ・かすれ】