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給ふお子がこくやに【獄屋に】をしこめあるとは心へす。是はたゞ事で有まじ。いや〳〵へんがいいたさんといへば。つぼね■
何とほうの【?】ことくいたされんか。それ〳〵六ゐの者。是成ものをからめくびをうてとのゝしり給へは。ごんの介立
ゟ是弥介殿。ころされんゟ我子にし給へと。いろ〳〵にいゝ聞せは。弥介女中にさいぜんゟの給ふこと。一つ■て
んゆかず。やうすをかたり給へ。■■へにてはいかやう共仕らん。中宮つぼねいやべつの事ではない。其お子といふは中宮■
の御子たいしさま成るがむまれをちゟ心たけく。なに■ならぬ■やくゆへ。ごくやにおしこめ置給へ共。近き内ころ
され給はんもしれず。聞は其方は其方はたのもしきものと聞召。ふぎのみつつうなすも中宮さまのけいりやくなり。何
とぞさとへぐして其方のお子になしてたべとかたりけれは。弥介聞扨は■やうのざ■んでござりますか。其だんはお
心やすく思召ましよ。成ほど我お子にいたしそだて参らせんが。私にはつまも候はねは何共きのどくに存します。其時
は是成さぬきが付そい給ふぞ。然らは心やすし。いざごくやゟ出し参らせん。つほね聞いやごくやのかぎをくわんばく
のもち給へばかなはず。それゆへあの玉の井をこなたへほりかへしば地の下をごくやまてほりぬき。太子を
たすけませんため也。弥の介それは何ゟ心やすし。いざほりぬきてたすけませんと井の内へ入。地の下をほり
ぬく。中宮さぬきごくやのまへに来り。さぞ御なんぎならん。たゞ今地の下をほりぬき命をたすけ奉るといへば
太子聞召何とごくやを出すか。然らは此ろうをやふり出んと。くわんぬきもつて■いといふてもぎはれし【?】出給ふ所へ
弥の介らうや【牢屋】までほり来りみれば太子出てをはします。御すがたをみておどろきける。中宮たちゟ是に【は?】金玉
さま。此所におはしませはくわんばくか切ころしますゆへ。此人の所へござる。かならずたんりよな心もち給ふな。■れはおや
【左ページ】
にてましますぞ。金玉丸さらにがてんなく。いや〳〵ひとりはゆくまじとわれは【?】。さぬきが付そい参る也。心からは【?】
ゆかんやいそれ成ものはわがをやか。もし我いふ事をそむくなら。けころしてくれんずといかりの給へは。弥の介
もをそれける。所へくわんばく来り此ていをみて。中宮何とてはしぢく出おふ【??】。中ぐう聞召いやきみのお入
のじぶんなれは出むかい侍ふと。かの金玉丸をうろにかくさせ給ふ。かねみち【関白の名前】見付・是は何ものが太子をご
くやゟ出しけるぞといかる。太しいやらうをやぶつて■【出?】たりとわれは。いや〳〵さふて有まじ何ものぞ出し奉らん
と立ゟみれはらうのくわんぬきもきはなしあれは。かねみちをどろき。さやうの心ゆへごくやのすまいをなし
給ふ。さあもとの所へ入給はぬかと太刀ぬきけれは。太子をそれにげてごくやに入給ふ。中宮つぼねいよ〳〵
なけき給ひける。くわん白みてかやうの事あらんと思ひしにたがはず。それ〳〵くすのきのくはんぬきはめ
よ。■て侍共くわんぬきしつかとをろしをく。中ぐうくわんばくにむかい。さりとてはなさけなき心入や。ちゝ
みかどげきりんあれは。ともにあしさま申なし給ふ。少はなさけをかけ給へ。くわんばくきいてなふ【?】中宮たいし
あのことくに成給ふはみなこなたの心からにて有。我およはずながら心をかけ。たび〳〵ふみをつかはせ共。一どの
かへり事もなく。なさけらしきことのはもなし。其心ゆへ太子の事共みかどへそうもんし。ごくやのすまいとな
しけるぞ。もしわが心にしたがいなさけかけ給はゝ。そうもん申ごくやをたすけ参らせん。こなたの情しらぬ
ゆへなりといへは。中宮聞召何とお心にしたがい候はゝたすけ給ふな。成ほどお心まかせに成申さんが。いか
に太子をたすけ給ふがうれしきとて。こい女のみちをまもる物が。りやうぶにまみへゑん。太子をこ