翻刻
及ヒ魯斯亜【魯斯亜の右に二重縦線】ヲ歴テ、ウラル【ウラルの右に二重縦線】山ニ向テ延大ナル欧羅巴【欧羅巴の右に二重縦線】ノ地方ナリ、此地方
ニハ灌木叢砂磧曠漠牧草ノ地アリ、地学者之ヲ広大ナル一平原ト以為ヘ
リ、蓋シ此地一般ノ形状ハ坦夷ニシテ、龍動【龍動の右に二重縦線】ヨリモスコウ【モスコウの右に二重縦線】ニ至ルマテ
一線ヲ画スルニ、其全面均平ニシテ小凸凹ナカルベシ、ウラル【ウラルの右に二重縦線】山脉ヲ過
クレバ更ニ一層広大ナル平原シベリヤ【シベリヤの右に二重縦線】ヲ穿貫シテ太平洋ノ海浜ニ至
ルマテ張開セリ、此地方ハ甚高カラズシテ処々ニ丘陵高低アルモ、大約
荒無ナル牧草湖池沼沢ノ多キ砂礫平原ナリ、阿弗利加【阿弗利加の右に二重縦線】ノ中部北部ノ地
ニ既ニ発見シタルモノハ、サハラ【サハラの右に二重縦線】ノ大沙漠ニシテ、処々動物草木ノ蕃殖
スル沃土アリ恰モ島嶼ノ如シ、
夫ノ長大ナル山脈ニ対比スル、此等ノ広濶ナル平原ノ外ニ、狭小ナル原
野ノ其在ル所ノ地方ニ、特別ノ性質ヲ与フルモノアリ、即チ前ニ記シタ
ル北亜米利加ノ青々タルプライリース【プライリースの右に二重縦線】《割書:原野ノ|名下同》南亜米利加【亜米利加の右に二重縦線】ノパンパス【パンパスの右に二重縦線】
及ヒラノス【ラノスの右に二重縦線】亜細亜【亜細亜の右に二重縦線】ト欧羅巴【欧羅巴の右に二重縦線】北部ノステップスシベリヤ【ステップスシベリヤのア右に二重縦線】ノトンドラス【シトンドラスの右に二重縦線】南
部阿弗利加【阿弗利加の右に二重縦線】ノカルース【カルースの右に二重縦線】印度ノジョングル【ジョングルの右に二重縦線】英国ノ泥土山谷(アルロビアル、トラツス)恒河ナイルナ【恒河ナイルナの右に二重縦線】
イグル【イグルの右に二重縦線】及ヒミスシスシッピ【ミスシスシッピの右に二重縦線】ノ如キ、河浜ノ低湿ニシテ漸ク大ナル河岐
ノ類是ナリ、又広谷山渓凹路等ノ若キ、甚狭隘ナル平地低窪ノ徧小ナル地
勢ヲナスモノヲ論セント欲スレトモ、余白ナク、且物理上ヨリ之ヲ見レ
バ、此類ノ如キモノハ広漠ナル原野ト同一ナル成果ヲ生シテ、其原因ハ
地震ニ因テ陥没セシカ、湖池ノ堆積セシカ、渓谷ノ剥蝕セシカ、将タ火山
分裂ノ凹路ナルカ之ヲ詳論スルハ地質学ニ属シテ地学ノ関スベキニ
非ザルナリ、又此篇ニ地裂地洞ノ類ヲ論スルハ其常ナリ、然レトモ其地
上ノ形勢ニ関スル所ノ成果ヨリハ、其奇異ナル構成ヲ説クノ却テ愉快
ナルニ如カザルヲ以テ、姑ク之ヲ置キ、若シ時ヲ得レバ各国地誌ノ条ニ
在テ説クベシ、此ハ只其原因ハ地震火山吐力、地上ノ泉河水力或ハ其大