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コレクション: STAGE1

箱根温泉誌 全 - 翻刻

箱根温泉誌 全 - ページ 41

ページ: 41

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に功(こう)ある温泉(おんせん)ありて村内(むらない)の総湯(そうゆ)なりしが之(これ)も紀伊(きの) 國屋(くにや)へ合併(がつへい)せり亦(また)幕湯(まくゆ)とて客(きやく)の求(もと)めに応(をう)じて貸切(かしきり) 其間(そのあいだ)幕(まく)を張(はり)て浴(よく)する湯(ゆ)ありしが目下(もくか)之(これ)も廃(はい)し各家(かくか) に上等(じやうとう)風呂(ふろ)とて小風呂(こふろ)を補理(しつらひ)たれば外国人(ぐわいこくじん)などは 多(をほ)く此地(このち)に浴(よく)すといふ ○温泉(おんせん)の性質(せいしつ)  硫礬塩鉄(りうはんえんてつ)の四|氣(き)を混(こん)ず ○主治(しゆぢ)功能(こうのう)  打撲(うちみ) 筋病(すぢけ) 脚気(かつけ) 皮膚病(ひふびやう) 腋氣(わきが)   瘡毒(さうどく) 下疳(げかん) 痔聾(じろう) 頭痛(づつう) 疝気(せんき) 腰痛(こしいたみ) 痳疾(りんしつ)   風疾(ふうしつ) 雁瘡(がんがさ) 風癬(たむし)    ○名跡(めいせき) 弁天山(べんてんやま) 木賀(きが)底倉(そこくら)より来(きた)る路(みち)にて芦(あし)の湯(ゆ)の入口(いりくち)な  り此山(このやま)より見渡(みわた)せば西南(せいなん)は箱根(はこね)の湖水(こすゐ)及(およ)び伊豆(いづ)  駿河(するが)の海浜(かいひん)を遠(とほ)く望(のぞ)み東北(とうほく)は武相(ぶさう)の山々(やま〳〵)に続(つゞ)き  近(ちか)くは鷹巣(たかのす)火燈(ひとぼし)湯本山(ゆもとやま)足柄(あしがら)八重(やえ)山|雨降(あめふり)山|霞(かすみ)に籠(こも)  り霧(きり)に包(つヽ)み相海(さうかい)一|眸(ぼう)千|里(り)を極(きわ)め頗(すこぶ)る絶景(ぜつけい)の地(ち)な  り故(ゆゑ)に浴客(よくかく)は運動(うんどう)の為(た)め常(つね)に此山(このやま)に登(のぼ)る者(もの)多(おほ)し 芦(あし)が池(いけ) 弁天山(べんてんやま)の下(した)にて旧時(きうじ)此池(このいけ)の汀(みぎは)は芒々(ばう〳〵)たる  萱野(かやの)にて春(はる)の頃(ころ)は蕨(わらび)つく〴〵し槿(すみれ)など此(こゝ)彼處(かしこ)に  生(しやう)じ浴客(よくかく)の心(こゝろ)を慰(なぐ)めたりしが近頃(ちかごろ)此汀(このみぎは)の雑草(ざつさう)を  苅取(かりと)り周囲(まわり)に木柵(もくさく)を設(まう)け池(いけ)をさらひ水(みづ)を溜(ため)て船(ふね)