みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE1

越後地震口説 - 翻刻

越後地震口説 - ページ 15

ページ: 15

翻刻

しらぬ病(やまひ)を|呑込(のみこみ)がほに。やがて治(なお)ると薬(くすり)を のませ。少(すこ)し|容躰(ようだい)わるひと見れば。人に譲(ゆず)り て己ははづし。匕(さじ)のさきより|口先(くちさき)上手(じやうず)|素人(しろと) だましの|手柄(てがら)を咄(はな)し。|金匱要略傷寒論(きんきよううりやくしやうかんろん) は若(わか)い|時分(じぶん)に習(なら)ふたばかり。偶(たま)に|取出(とりだ)し披(ひら)ひて 見れば。闇(やみ)の烏(からす)で分(わか)らぬゆゑに。利(きか)ず障(さわ)ら ぬ薬(くすり)の数(かず)を。たんと呑(のま)せて|衣裳(いしやう)をかざり。 礼(れい)の|多少(たしやう)で|代脈(たいみやく)つかひ。|裏家(うらや)|背戸家(せどや)は |十日(とをか)に|一度(いちど)。金(かね)になるのは|毎日|四五度(しごど)。されば |医者衆(ゐしやしゆ)の掟(おきて)をきけば。銭(ぜに)や金(かね)にはかかはる まじき。人(ひと)を救(すく)ふが教(をしえ)のもとよ。常(つね)のいましめ まもらぬ訳(わけ)は。欲(よく)がふかひか|文盲(もんまう)ゆゑか。按(あん) 摩とのまで夫(それ)|見習(みなら)ふて。近(ちか)い頃(ころ)まで|上下(かみしも) 揉(も)んで。|弐十四文(にじうしもん)が通用(つうよう)なるに。いつの頃(ころ)