翻刻
より|何国(いづく)の町(まち)も。頓(やか)て|八文(はちもん)ましたるばかり。
力(ちから)いらずに|手拍子(てびやし)はがり。すこし長(なが)けりや
|仲間(なかま)がにくむ。されば|一々(いち〳〵)さがして見れば。士(し)
|農工商(のうこうしやう)|儒仏(じゆぶつ)も神(しん)も。|口説(くどき)ことばに違(ちかひ)は
あらじ。天(てん)の誡(いましめ)|今日(けふ)より恐(おそ)れ。忠(ちう)と孝(かう)との
二(ふたつ)つの道(みち)と。|己〻(おのれ〳〵)が|職分(しよくぶん)まもり。上に居(ゐ)る人(ひと)
下(しも)憐(あわ)れんで。下(しも)に居(ゐ)る人(ひと)上(かみ)敬(うやま)いて。常(つね)に
|倹約(けんやく)|慈悲心(じひしん)ふかく。|五常(ごじやう)|五倫(ごりん)を必(かならず)
まもり。奢(おこ)る心(こころ)を慎(つヽし)むならは。かゝる奇(き)
代(たい)の|変事(へんじ)はあらじ。されば|佛神天道(ふつしんてんとう)
さまも。恵(めぐ)み給ひてたヾ世(よ)の中(なか)を。
|末世(まつせ)|末代(まつだい)浪(なみ)かぜたゝず。|四海(しかい)|太平(たいへい)諸(しよ)
色(しき)も安(やす)く。米(こめ)も|下直(げぢき)に|五穀(ごこく)も登(みの)り。地(ぢ)
震(じん)どころか|在町(さいまち)ともに。|子孫(しそん)さかへる