翻刻
|越後(えちご)|地震(じしん)|口説(くどき)
|天地(てんち)|開(ひらけ)て|不思議(ふしぎ)といふは。|近江(あふみ)みづうみ
駿河(するが)の|富士(ふじ)は。たんだ|一夜(いちや)に|出来(でき)たと聞(き)いた。
それは見もせぬ昔(むかし)の事(こと)よ。爰(ここ)にふしぎは
|越後(えちご)の|地震(ぢしん)。いふも語(かた)るも身(み)の毛(け)がよだつ。
頃(ころ)は|文政(ぶんせい)十一|年(ねん)の。時(とき)は|霜月(しもつき)半(なかば)の|二日(ふつか)。
朝(あさ)の五(いつつ)つと覚(おぼ)しきころに。とんとゆり来(ゆ)る