翻刻
仲(ちう)春の、微暖(びだん)の風の恵(めぐみ)
にて、桃紅(とうこう)、李白(りはく)相(あい)映(ゑい)
じ、桜雲(あううん)、梨雪(りせつ)、園(その)に満(みち)、
狂蝶(きやうてう)、痴蜂(ちはう)、香(か)を慕(した)ひ、
燕子(つばくら)帰(かへ)り、巣(す)を営(つく)り、
鴻雁北飛(こうがんほくひ)、楊柳(やうりう)、蘇鉄(そてつ)、
芽(め)を萌(きざ)し、四木三艸(しぼくさんさう)其
中(うち)の、藍(あい)の種蒔とき、
茄子(なすび)、里芋(さといも)は、別霜(はちじうはちや)の前(ぜん)
後(ご)まて、植付(うゑつけ)なして障(さわり)